晴海通りをIPTハイブリッド車が走った日
〜都バスS-T175号車の記憶
(2009年4月13日〜4月27日)その1

2007年2月下旬に羽田空港のターミナル間循環バスとして羽田京急バスに貸し出され、
NH3799号車として約2週間の実証実験走行を行った日野ブルーリボンシティIPTハイブリッド車が都バスにもお目見え、
2009年4月13日〜4月27日に東京駅〜晴海埠頭間の都05系統「グリーンアローズ」で試験走行を行いました。


羽田京急バスのときはターミナル循環(約2.8km×3周)+大田区本羽田・大鳥居までの入出庫(約4.8km)=約18kmを 一日2回というものでしたが、今回は東京駅丸の内南口から銀座・築地・勝どきを経て晴海埠頭へ行く都05系統「グリーンアローズ」 (約5.3km)+江東区東雲の深川営業所〜豊洲〜晴海埠頭間の回送(約4.2km)=約19.2kmを同じく一日に2回と、 ほぼ同等の運行距離で行われました。
これはS-T175の電気自動車モードにおける航続距離が約15kmという制約から来ているようで、 回送区間ではエンジンの動力で走るようですが、NH3799ではエンジンをノーマルのJ08系(排気量7.6リットル、240PS)から リエッセのJ05系(排気量4.7リットル、180PS)に換装しており、営業運行でエンジンを使った場合に 満員状態ではアンダーパワーになるおそれがあるため、エンジン走行区間をあえて回送区間に限定させたものと推測されます。
晴海埠頭の操車所にIPT地上子と電力設備があれば一日あたりの運行回数を稼ぐことができたのかもしれませんが・・・

都バスで実証実験を目的とした期間限定運行を行った車両に、弊サイトでも紹介しているS-L111号車(FCHV-BUS)がありますが、 そのS-L111号車ですら運行期間は2003年8月〜2004年12月と1年を超えているのに、S-T175が約半月、しかも土休日運休というのは、 バスファン諸氏にとっては大きな障壁であり、”見る・聴く・乗る・撮る”を満足にこなすことは不可能ではなかったかと思います。
かくいう僕も今回撮った写真の中で客室部分は手をつけることができず、走行シーンにしても俯瞰や沿線の主要名所を網羅しきれていないため、 「前+横」・「後ろ+横」・運転席・客室の”4点セット”は実現できませんでした。

(2009.04.13)
運行初日の1往復目はまず三原橋交差点から歌舞伎座を臨む構図に挑戦。

歌舞伎座は今年いっぱいで建て替え工事のため閉館になるので、貴重な取り合わせになるかもしれません。

その折り返しで今度は銀座4丁目交差点まで追いかけて晴海行きを迎撃。

当初は和光の時計台と絡めてみたかったのですが、先天的に晴海通りの交通量が多く、中央分離帯に立てる空間もないため断念。

昼食の後、2往復目を再度銀座4丁目で挑戦。

復路は数寄屋橋から便乗しました。

(2009.04.14)
翌日は雨の丸の内で迎え撃ち、晴海まで走行音のレコーディングを兼ねて乗車。


後ろから俯瞰してノーマルのBRCハイブリッドとの並びを。
S-T175にはリチウムイオン電池を屋根に増設していて、エアコンユニットと一体のケーシングに収められています。


暫しの休息の後、東雲へ帰投。J05エンジンで走るときの音こそ聴き応えがあるのに・・・


しかしIPTハイブリッド車の運行時期をこの頃にしたのには”裏”がありました。
東京都が進めている2016年夏の東京オリンピック招致活動が絡んでいて、 国際オリンピック委員会(IOC)調査団の来日がこの時期だったのです。
はとバスのセレガハイブリッドに都バスと同じデザインの五輪招致ラッピング装飾を施して、 S-T175とのコンボイで視察団を乗せて都内を走ったそうですが、 そんなことをするくらいだったら土曜・日曜にも走らせろよ、まったく・・・


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